
亜細亜大学時代の水本
■暗闇の中をボール探し 大学1年生には役割
野球に限らないと思いますが、部活に所属していると下級生にはグラウンド内外で役割があります。私が卒業した亜細亜大学では、1年生に担当がありました。例えば、練習後にボールをノック用やティー打撃用などに仕分けしたり、打撃マシンのメンテナンスをしたりする係がありました。
私は毎日の練習後に回収し忘れたボールがないか確認する係でした。先輩たち全員が練習を終えたら、グラウンドの中や外をくまなく見回る仕事です。
練習が終了するのは夕方か夜なので、グラウンドの周りは真っ暗です。私は同じ係の同級生と一緒に、懐中電灯を手にしてボールが落ちていないか探しました。
草むらの中やネット際など、見落としがないように丁寧に見回りをします。しかし、汚れているボールは暗闇に紛れることもあって、見つけられない時があります。

野球塾の指導前にウォーミングアップ
■部屋の掃除やゴミ出し 寮生活にも1年生の担当
当時チームを指揮していた生田勉監督は毎朝、グラウンドの周りをランニングする習慣がありました。その時、生田監督は回収されていないボールを見つけると、グラウンドに投げ入れていました。練習後、グラウンドにボールが落ちていることはあり得ません。翌日の朝練でグラウンド内にボールがあるのは、生田監督からの無言のメッセージなわけです。
朝練が始まる時、グラウンド内で白っぽい球体を発見すると、選手たちに焦りが広がります。特に慌てるのが2年生です。2年生は1年生を教育する役割があり、1年生のミスを上級生やコーチから指摘されて改善を求められます。ミスを繰り返したり、気の緩みからミスをしたりした場合はペナルティが課されます。
寮生活でも、1年生には役割がありました。亜細亜大学野球部の寮は、1年生から4年生まで各学年1人ずつの4人部屋でした。1年生は、部屋のゴミ出しや掃除を担当します。それから、一番早く起きて、先輩たちに声をかけます。全員が目覚ましをかけていますが、1年生が寝坊すると、部屋にいる全員が寝過ごしてしまうリスクがあるので、重要な任務です。
■朝練は午前6時スタート 寝坊は4年間で一度だけ
朝練は午前6時スタートで、5時半頃にグラウンドへ出ます。点呼を取るので、寝坊で不在の選手はすぐに分かってしまいます。私が在学中に寝坊したのは一度だけでした。チームで最も少ないくらいです。
部活の係や寮生活の厳しさは、今思うと特殊だったと感じます。亜細亜大学は練習も含めて「日本一過酷」とも言われています。練習中もグラウンドを離れても、想像を絶するプレッシャーです。ただ、当時は当たり前だと思っていました。毎日のことなので、慣れていく部分もあります。野球の技術だけではなく、学びの多い4年間でした。あの頃には戻りたくありませんが(笑)。