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野球と福祉をつなぐ新たな挑戦 就労支援事業所「えんどらん」プレーボール


石川県に開所した就労継続支援B型事業所「えんどらん」

 

■地元・石川県に開所 就労継続支援B型事業所「えんどらん」

新聞の報道などでご存じの方がいらっしゃるかもしれませんが、2月から新たな事業をスタートしました。私の地元・石川県の小松市に就労継続支援B型事業所「えんどらん」を開設しました。Ring Matchとして初めての福祉事業です。

就労継続支援B型は、一般企業で雇用契約を結んで働くことが難しい人を対象にした福祉サービスです。事業所では、障害や難病のある人たちが就労に必要な知識や能力を向上させる訓練を受けられます。

私は元々、福祉に特別な関心があったわけではありません。Ring Matchでは野球経験者に特化した人材紹介、野球塾の運営、バットの開発・販売と、野球に深く関わる事業を展開してきました。

「えんどらん」を開設したきっかけは、大阪市にある就労継続支援事業所を知ったことでした。そこで働いている野球経験のある職員の方から話を伺うと、利用者の方と野球が共通の話題になって、交流が深まっているとのことでした。

また、その事業所は軟式野球チームを持っていて、全国大会には事業所の利用者の皆さんが応援に行っているそうです。選手のユニホーム修繕を利用者の方に依頼するなど、野球と関連した仕事も生み出していました。


野球塾から3キロの距離にある「えんどらん」

 

■事業所は野球塾から3キロ 野球関連の仕事を創出

私は福祉と野球の相性の良さや野球が福祉にも貢献できる道を知り、1年前から事業所の設立を目指して本格的に動き出しました。事業所の場所探し、スタッフの採用、自治体への許可申請など、やるべきことは多岐にわたりました。未経験の分野で苦労はありましたが、周りの方々の支援や応援を受けて、「えんどらん」のスタートを切れました。

事業所の場所は、今年1月にオープンした野球塾から3キロほどの距離にあります。野球塾の近くに構えることで、一般的な仕分けや梱包作業のほかに、練習場の清掃やネットの補修、練習で使うボールの手入れなど、野球塾に関連した仕事を事業所の利用者の方に依頼しやすくなります。

それから、利用者の皆さんに野球塾の子どもたちを身近に感じてもらいたい意図もあります。成果が目に見えにくい作業よりも、自分たちの仕事が選手たちの成長を支えていると実感できた方が、働くモチベーションや責任感につながると考えています。選手たちにも、練習をサポートしてくれる人たちに感謝する気持ちが自然と芽生えると期待しています。


施設の利用者さんをスタッフが前に進める意味を込めた「えんどらん」

 

■スタッフは打者、利用者さんが走者 えんどらんで前進サポート

野球の戦術にちなんで名付けた「えんどらん」には、打者となる私たちスタッフがサポートして、走者である利用者の方々を前進させる意味を込めています。両者が信頼関係を築いて、ともに成長していきたいと思っています。

開所から1カ月半ほどが経ち、事業に関わる近隣への挨拶回りや行政による見学など必要な準備を終えました。地域ごとにルールがあるのかもしれませんが、事業所と利用者さんは直接契約を結べません。相談員と呼ばれる自治体の担当者が事業所を見学して問題がないと判断してから、利用者さんを事業所に紹介する流れです。「えんどらん」は利用者さんを受け入れて問題ないと行政に認められ、今は利用を希望する方たちが見学に来ています。

野球と福祉は一見、つながりがありません。しかし、2つを結び付けることで新たな価値や役割が生まれ、それぞれの可能性が広がると信じています。