■サイズはSかM 小さめのユニフォームが伝統
夏の甲子園は佳境を迎えています。残念ながら母校・大阪桐蔭が甲子園出場を逃しましたが、今夏は1点を争う好ゲームが多く、テレビ観戦を楽しんでいます。
甲子園は普段あまり野球を見ない人たちの関心が高いこともあり、試合以外の部分が注目されるケースが少なくありません。私たちの年代の大阪桐蔭では、ユニフォームが話題になりました。
大阪桐蔭では体にピタッとフィットしたユニフォームを着用します。おそらく、そのスタイルが始まったのは私たちの4学年先輩の代だと思います。現在、東北楽天イーグルスでプレーしている浅村栄斗選手を擁して、夏の甲子園で優勝したチームです。そこから小さめのユニフォームを着るのが大阪桐蔭の“伝統”となっています。
選手が着るユニフォームのサイズは大半がSかMです。大阪桐蔭に入学して最初に採寸した際に「少しきついかな」と感じましたが、担当者の方から「先輩たちはSかMを選んでいるよ」と言われたので、そのサイズ感に納得しました。ウエイトトレーニングで筋肉がついてくるとユニフォームがきつくなってきますが、当時は「いかに小さく着るか」にこだわっていましたね。
大阪桐蔭は出場できなかった今夏の甲子園
■横は6ミリ、上は9ミリ 丸刈りにもこだわり
ユニフォームの下に着るアンダーシャツにも、大阪桐蔭のスタイルがありました。高校野球ファンの方は、大阪桐蔭の選手がタートルネックのアンダーシャツを着ている印象がありませんか?ノースリーブでタートルネックという熱いのか寒いのか混乱するスタイルが、自分たちの少し上の世代では流行っていました。他の高校では見かけなかったので、既製品ではなくオーダーだったのかもしれません。
自分たちの代では一時期、ピチピチの半袖アンダーシャツが流行しました。ユニフォームもピッタリしていて袖が短く、その袖から少しだけアンダーシャツが見える着こなしに、かっこよさを感じていました。
見た目に関しては、実は髪型にもこだわりがありました。大阪桐蔭の野球部は全員が丸刈りです。ただ、何ミリにするかのルールはありません。それぞれが長くなってきたと判断して、バリカンを使って自分で短くします。
私は長さ6ミリの丸刈りを基本にしていました。そして、一見しただけでは分からないと思いますが、横は6ミリ、上は9ミリに整えます。少しだけ高さに差をつけた髪型が当時の大阪桐蔭では“おしゃれ”とされていました。やはり高校生なので、ルールの中で少しでもかっこよく見せたい気持ちがありましたね。
■角を立たせた形が流行 帽子には洗濯ばさみ
帽子は角を立たせた形が流行りでしたね。これは大阪桐蔭だけではなく、当時の高校野球界全体の主流だったと思います。入学当初から先輩たちを見ていたので、きれいに角ができていないとイケてない感じがしました。寮では全選手が帽子に洗濯ばさみをつけて、角をつくっていました。
最近の高校野球では丸型の帽子が多くなっていますし、髪型も自由な学校が増えています。私が高校を卒業して10年余りですが、見た目の面でも時代の変化を感じます。