■理想のスイングが自然と身に付くバット 「Newton」開発
弊社では主に3つの事業を展開しています。今までのコラムで「野球経験者に特化した人材支援」と「野球塾の運営」についてお伝えしました。今回は「バットの開発・販売」のお話を進めていきたいと思います。
弊社では「Newton」と名付けたバットを販売しています。バットの開発に取り組んだ理由は、野球塾での指導経験でした。私たちの野球塾「Amazing 名古屋校」の打撃指導では、「バットの重みを感じるスイング」や「バットを寝かせる動きをつくって遠心力を生かしたスイング」を大事にしています。ヒットを打つ確率を上げると同時に、体が小さくても打球を遠くに飛ばすバッティングフォームを覚える上で重要な動きになるからです。
野球塾に定期的に通っている選手たちは、理想的なフォームを身に付けています。ただ、習得までの時間には個人差があります。特に知識や経験が少ない選手は、私たち指導者の説明をイメージするのが難しいケースがあります。「もっと効率良く選手たちが動きを習得する方法はないだろうのか」。私が考えたのは「スイングするだけで感覚が分かるバットの開発」でした。
■試行錯誤重ねて実打可能に 実戦向きのバット
スイングした時にバットの重さを感じ、バットを寝かせる感覚が分かれば選手の理解度や習熟度は上がります。また、野球塾に来ていない選手たちのバッティング向上もサポートできると思いました。
「Newton」はヘッドの部分に砂が入っています。この砂がスイングする時に動くため、バットの動きを感じやすくなります。試作の段階で砂の重さや種類を色々と比較して、今のバットが完成しました。スイングする時に耳元で砂が動く音が聞こえるので、正しくバットを振れているのかどうか自分で判断できます。
もう1つの大きな特徴は、実戦向きなところです。砂を入れているので、バットには空洞部分があります。開発の初期段階では、バットの強度が落ちて、ボールを打った時に割れてしまいました。
そこで、バットの素材を変えたり、空洞の直径を調整したりして、バッティング練習ができる強度を追求しました。20本くらい試作を重ねた結果、硬式ボールを使ったティー打撃、軟式ボールであればマシン打撃にも対応できるバットにたどり着きました。
■選手から大好評 一時は生産追いつかず品切れに
バットの長さと重さも実戦にこだわりました。種類は「小学1年生から4年生向け(68センチ、750グラム)」、「小学5年生から中学1年生向け(80センチ、820グラム)」、「中学2年生から成人向け(83センチ、960グラム)」の3つで、どれも試合で使うバットとほぼ同じです。
私たちの野球塾でも「Newton」を使っています。選手たちからは「振っていて気持ち良い」、「力いっぱい振らなくても体を大きく使えている感覚がある」、「砂の音でバットが寝ているかどうか分かる」といった声が上がっています。
一番長いサイズは製造が追いつかず一時は売り切れとなるほど、販売開始から多くの方にご購入いただいています。チームで複数本お買い上げいただき、普段の練習で活用しているという声も届いています。
開発には苦労もありましたが、想像を超える納得のバットに仕上がりました。野球塾や野球教室で子どもたちと接していて一番幸せを感じるのは、上手くできた時のうれしそうな表情を見た時です。「Newton」で子どもたちの笑顔を増やせたらと思っています。バットの詳しい特徴や使い方は動画で公開しているので、興味のある方はご覧ください。