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ビジネスでも輝ける土俵を 野球人の強みを生かした支援

■「力を発揮できていない」 企業でも生かせる野球人の強み

先日のコラム開始のご挨拶では、自己紹介をさせていただきました。実質的に最初のコラムとなる今回は、弊社で展開している事業の1つで、私が起業するきっかけとなった「野球経験者に特化した人材支援事業」についてお伝えします。

この事業を立ち上げた理由は前回のコラムで触れましたが、野球経験者が競技を終えた後に持っている力を発揮できていないと感じたからです。私も含めてですが、野球に没頭した人たちは競技を通して得た強みと同時に、他の人よりも時間をかけてこなかった弱点があります。

一般的に野球経験者は、体力や礼儀正しさに長けていると見られています。ただ、野球人の強みは、それだけではありません。例えば、打率3割が好打者の目安とされる野球は「失敗のスポーツ」と言われています。7割は失敗する難題に対して、自分の打撃フォームや相手バッテリーの配球などを研究して少しでも確率を上げる工夫や努力を重ねます。

これは、営業や企画の仕事にも共通します。断られる可能性が高い営業や最初から案が通りにくい企画の部署に配属された際、野球に打ち込んだ人たちは様々な方法で現状を打破する方法を考えます。失敗してもあきらめない継続力や課題を解決する力など、野球で身に付けた武器が社会に出てからも生きるわけです。

 

■野球人と企業をつなぐ「Ring MATCH」 専門アドバイザーがサポート

一方、部活に所属せず勉強や就職活動に注力してきた人と比べると、専門的な知識やパソコンのスキルは劣る傾向にあります。インターンやアルバイトの経験も圧倒的に少なくなります。

野球経験者が、こうした苦手分野で勝負しようとしても、なかなか勝ち目はありません。野球でも適材適所があるように、個々の特長が発揮できる職種や企業にめぐり合うことができれば、野球人も企業も幸せです。そのサポートをしたいと私は起業を決めました。

私たちの会社「Ring MATCH」では、転職を希望している野球経験者に無料登録してもらいます。その後、オンラインやオフラインで面談し、企業に提出する履歴書や職務経歴書を一緒に作成していきます。そこから、求職者に合った企業をピックアップして、エントリーしていく流れです。

求職者をサポートする弊社のアドバイザーたちは、上場企業で豊富な経験を積んできました。全員が野球経験者なので、求職者の考え方や希望を汲み取り、企業へ分かりやすく伝える方法を熟知しています。

 

■勤務地も業種も様々 企業から需要高い野球経験者

求職者からも野球未経験の社会人からも時々、「野球経験者に特化した人材紹介は需要があるんですか?」とたずねられます。その時、私は自信を持って答えています。「皆さんが想像している以上に需要は高いです」。弊社は2期目に入って知名度が上がってきたこともあり、求職者だけではなく、企業側からの問い合わせも大幅に増えています。需要があると確信しています。

野球経験者を必要としている企業は全国各地にあり、業種も多岐に渡ります。お問い合わせをいただくのは弊社が事務所を構える愛知県、東京都や大阪府といった都市部に加えて、北陸地方や北関東の企業も多いです。これまで内定をいただいた企業の業種は不動産、印刷会社、営業代行など幅広いです。

Ring MATCHの特徴はきめ細かいサポートにもあります。求職者の希望を聞いたり、適性を見極めたりする面談はオフラインやオンラインで複数回行います。遠方に住んでいる求職者には企業まで同行するケースもあります。例えば、北海道で働いていて愛知県の企業で面接を受けた求職者は土地勘がないため、私が企業まで一緒に行き、面接に同席したこともありました。

求職者のサポートは内定を取ったら終わりではありません。入社後も個別にフォローし、求職者にも企業側にも不都合がないか確認します。求職者に伴走する上で難しいのは、気持ちの波に寄り添うところですね。求職者は「現状を打破したい」と熱が高い時と、「転職は怖いから現状維持で良い」と弱気になってしまう時が周期で変わる傾向があります。

 

■転職は「ポジティブ」 自分の価値を高める選択肢

私たちは「転職ありき」で相談に乗るわけではありません。取り組み方や考え方を変えれば今の職場で活躍できると感じた場合は、その方法をアドバイスします。ただ、より輝ける場所を見つけたいと前向きな気持ちになり、ふさわしい企業が見つかったにも関わらず、一歩を踏み出せなければ、せっかくのチャンスを逃してしまいます。求職者が1人で悩みや不安を抱えないように、いつでも気軽に連絡を取れる仕組みをつくっています。

事業は5月から2期目に入りました。やはり、最大のやりがいは求職者と企業、お互いが笑顔になるマッチングに成功した時です。私たちは求職者に転職先を押し付けず、希望や適性に合った企業しか紹介しません。そのため、入社後に「良い企業勧めていただき、ありがとうございます」、「仕事が楽しいし、先輩や上司にもかわいがってもらっています」など、感謝される機会が多いです。

企業側からもうれしい言葉をいただいています。中には「良い人材を紹介していただきました。他に利用している転職エージェントは全てやめて、Ring MATCHさん一本にします。紹介していただいた方は100%採用するので、今後もよろしくお願いいたします」と言っていただいた企業もあります。

転職のイメージは日本でも変化し、ポジティブに捉える人は増えています。私はキャリアにおいて、自分の価値を高めていくことが大事だと考えています。何かを達成したら、もう1つ上のレベルや新しいスキルの習得を目指して、自分の市場価値を上げていくわけです。

Ring MATCHの登録者は今すぐに転職したい人から、いずれ就職しようとぼんやり考えている人まで様々です。企業との出会いはタイミングもあります。キャリアアップを描いている野球経験者は、弊社までお気軽にお問い合わせください。野球人を求めている企業は皆さんが思っている以上にたくさんあります。ユニフォームを脱いだ後も野球人の可能性は広がっています。