■伸びる選手に不可欠 「情熱」と「向上心」
野球塾で小・中学生の指導をしていると、伸びる選手には共通点があると感じます。絶対に欠かせない要素が、「情熱」と「向上心」です。ありきたりに聞こえるかもしれませんが、「野球が好き」、「今よりも上手くなりたい」という気持ちが強い選手は自然と成長します。
最近は、指導現場で「自主性」という言葉をよく耳にします。自主性のある選手は上達し、指導者は選手の自主性を育む教え方や接し方が重要といった指摘です。私が実際に選手たちを指導して感じるのは、情熱や向上心があれば、指導者が多くの言葉をかけなくても選手は自主的に動きます。成長する選手は野球塾で「上手くなるヒントをつかみたい」、「限られた時間の中で1球でも多く打ちたい」という姿勢が表れ、自宅に帰れば自主練習しています。
私たちの野球塾は選手に宿題は課しませんが、現状の課題と改善方法は伝えます。伸びる選手は自宅で復習しています。次に会った時に動きを見れば、復習したかどうか、すぐに分かります。自主練習を継続する選手の中には数カ月、半年で驚くほど上手くなるケースも多いです。
どれだけ野球が好きか。努力を続けられる要因は、そこに尽きると思います。活字が嫌いな子どもたちも、好きなゲームを攻略する方法を知るためなら、難しい文章でも必死に読もうとしますよね。野球が上手くなりたい気持ちがあれば、自ら練習する時間をつくります。
練習は「質」も大事ですが、ある程度の「量」は不可欠です。特に、小・中学生の年代はバットを振る強さや感覚がベースとして身に付いていないと、技術の習得に時間がかかります。技術的な説明を頭で理解していても、振る力がなければ体で表現できない状態に陥ってしまいます。
■選手の成長に重要な保護者の役割 「口の出しすぎ」に注意
選手の成長をサポートするには、保護者の役割も重要です。伸びる選手に共通点があるように、選手の意欲や上達を妨げてしまう保護者にも共通点があります。まずは、過剰に関わっているケースです。私たちの野球塾に来ても、チラチラと一緒に来ている保護者の方を見て、顔色をうかがいながら練習している選手がいます。
保護者があまりにも口を出すと、選手は怒られないようにする動きや考え方がクセになってしまいます。練習をやらされているので楽しくなさそうですし、試合でも消極的なプレーになりがちです。また、指導者と保護者の間で選手に伝える内容が大きく異なると、選手は板挟みになって戸惑います。自分のお子さんに関心を持つのは親として自然なことですが、すぐに何でも指摘せず、選手の成長を見守る意識を持つと、大人が想像する以上に子どもたちは上達するはずです。
それから、周りの選手との比較も成長を妨げる原因となります。「あの子みたいに練習しなさい」、「あの子みたいに打ってみたら」といった発言は、選手のやる気を損ないます。野球塾でも耳にする時が少なくありませんが、比べるのであれば「自分のお子さんの過去」を比較対象にしてください。「1カ月前よりスイングスピードが速くなったね」、「家に帰ってからバットを振る習慣が身に付いたね」と、変化した点を褒めてほしいです。
打撃は1日、1週間で打てるようになるほど甘くありません。試合で我が子が凡退する姿を見ると、保護者としては色々と言いたくなるかもしれません。でも、ぐっとこらえて、お子さんが今よりも野球を好きになる言葉や、上手くなりたいと前向きになる言葉をかけてください。成長の速度には個人差はあっても、誰もが必ず上達します。

石川校は2026年1月にオープン
■2026年1月に開校 地元・石川県に新たな野球塾
私が代表を務める「Ring Match」では現在、名古屋市で野球塾「Amazing」を運営しています。来年1月5日には、石川県小松市に新たな校舎も開設します。
石川県では今まで何度も野球教室を開催し、野球熱の高さを感じていました。野球教室の回数を重ねるうちに、自分が生まれ育った石川県に野球塾を常設したい思いが強くなり、今回の開校に至りました。私が塾長を務め、小・中学生を対象としています。塾生の募集を開始したので、「もっと野球が上手くなりたい」選手は、ぜひお越しください。